登録販売者の出題範囲である漢方について
名前が似ていて紛らわしく、混乱しやすい漢方をイラストと語呂合わせ、説明つきでまとめました。
今回は麻黄湯、大黄甘草湯、黄連解毒湯…その他
『黄』がつく漢方シリーズです!
個人的には「王様シリーズ」と呼んでいます。
▼その他の漢方はこちら
【登録販売者】漢方のイラスト・語呂合わせまとめ
『黄』がつく漢方いろいろ
黄がつく漢方はこれだけあります。
・大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)
・大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)
・八味地黄丸(はちみじおうがん)
・三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)
・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
・中黄膏(ちゅうおうこう)
・防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)
思っている以上に多いですね…。
名前から作用を連想することのも難しく、混乱します。
ということでそれぞれをイラストと語呂合わせでイメージしながら
区別していきたいと思います。
※イラスト内の『作用』は覚えるキーポイントとなるものだけを記載しています。
※イラスト右上の「カ」「マ」「ダ」のマークはそれぞれカンゾウ・マオウ・ダイオウの有無を表しています。
語呂合わせ
魔王があらわれた!「ふははは!ふしぶしを痛くしてやる!」
ふしぶしを痛くするタイプの攻撃をする魔王です。
説明
体力充実して、かぜのひきはじめで、寒気がして発熱、頭痛があり、咳が出て身体のふしぶしが痛く汗が出ていないものの感冒、鼻かぜ、気管支炎、鼻づまり。
不向き
胃腸の弱い人、発汗傾向の著しい人では、悪心、胃部不快感、発汗過多、全身脱力感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。 漢方処方製剤としての麻黄湯では、マオウの含有量が多くなるため、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)は使用を避ける必要がある。
『大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)』のイラストと語呂合わせ
『大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)』は腸に作用する漢方です。
※イラスト内の『作用』は覚えるキーポイントとなるものだけを記載しています。
※イラスト右上の「カ」「マ」「ダ」のマークはそれぞれカンゾウ・マオウ・ダイオウの有無を表しています。
語呂合わせ
頭重=頭でっかち。
甘い草でおなかスッキリ。
説明
体力に関わらず広く応用され、便秘、便秘に伴う頭重、のぼせ、湿疹・皮膚炎、ふきでも の(にきび)、食欲不振(食欲減退)、腹部膨満、腸内異常発酵、痔などの症状の緩和に適すとされる。
不向き
体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
注意
本剤を使用している間は、他の瀉下薬の使用を避ける必要がある。
※イラスト内の『作用』は覚えるキーポイントとなるものだけを記載しています。
※イラスト右上の「カ」「マ」「ダ」のマークはそれぞれカンゾウ・マオウ・ダイオウの有無を表しています。
語呂合わせ
お腹が冷えると便秘になったり月経に異常が起きたりするので
腹巻は重宝します。
説明
体力中等度以上で、下腹部痛があって、便秘しがちなものの月経不順、月経困難、月経痛、 便秘、痔疾に適すとされる。
不向き
体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向き。
注意
本剤を使用している間は、他の瀉下薬の使用を避ける必要がある。
便秘、痔疾に対して用いる場合には、1週間位服用しても症状の改善がみられないときは、 いったん使用を中止して専門家に相談がなされるべきである。
『八味地黄丸(はちみじおうがん)』のイラストと語呂合わせ
『八味地黄丸(はちみじおうがん)』は排尿異常に作用する漢方です。
※イラスト内の『作用』は覚えるキーポイントとなるものだけを記載しています。
※イラスト右上の「!カンゾウなし」のマークはカンゾウ・マオウ・ダイオウのいずれも含まないことを表しています。
語呂合わせ
驚いて目がかすむ。尿漏れもしてしまった。
ハリーポッターの百味ビーンズ(グミ)を思い出します。
八味ビーンズ(丸)…。
説明
体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿でときに口渇が あるものの下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、痒み、排尿困難、夜間尿、頻尿、む くみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、尿漏れに適す。
不向き
胃腸の弱い人、下痢しやすい人では、食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢の副作用が現れるおそれがあるため使用を避ける必要がある。
のぼせが強く赤ら顔で体力の充実している人では、のぼせ、動悸等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
『三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)』のイラストと語呂合わせ
『三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)』は循環器系に作用する漢方です。
※イラスト内の『作用』は覚えるキーポイントとなるものだけを記載しています。
※イラスト右上の「カ」「マ」「ダ」のマークはそれぞれカンゾウ・マオウ・ダイオウの有無を表しています。
語呂合わせ
恥ずかしがり屋さんです。
説明
体力中等度以上で、のぼせ気味で顔面紅潮し、精神不安、みぞおちのつかえ、便秘傾向な どのあるものの高血圧の随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重、不眠、不安)、鼻血、痔出血、便秘、更年期障害、血の道症に適す。
不向き
体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人、だらだら出血が長引いている人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向き。
注意
本剤を使用している間は、瀉下薬の使用を避ける必要がある。
鼻血に用いる場合には、漫然と長期の使用は避け、5~6回使用しても症状の改善がみられないときは、いったん使用を中止して専門家に相談がなされるなどの対応が必要である。
痔出血、便秘に用いる場合も同様に、漫然と長期の使用は避け、1週間位使用しても症状の改善がみられないときは、いったん使用を中止して専門家に相談がなされるなどの対応が必要である。
『黄連解毒湯(おうれんげどくとう)』のイラストと語呂合わせ
『黄連解毒湯(おうれんげどくとう)』は循環器系に作用する漢方です。
※イラスト内の『作用』は覚えるキーポイントとなるものだけを記載しています。
※イラスト右上の「!カンゾウなし」のマークはカンゾウ・マオウ・ダイオウのいずれも含んでいないことを表しています。
語呂合わせ
レンゲの花の花言葉は「あなたと一緒なら苦痛がやわらぐ」だそうです。
鼻血と二日酔いも治りそう!
説明
体力中等度以上で、のぼせぎみで顔色赤く、いらいらして落ち着かない傾向のあるものの鼻出血、不眠症、神経症、胃炎、二日酔い、血の道症、めまい、動悸、更年期障害、湿疹 ・皮膚炎、皮膚のかゆみ、口内炎に適す。
不向き
体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)では不向きとされる。
副作用
まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎、腸間膜静脈硬化症。
注意
鼻出血、二日酔いに用いられる場合には、漫然と長期の使用は避け、5~6回使用しても症状の改善がみられないときは、いったん使用を中止して専門家に相談するなどの対応が必要。
『中黄膏(ちゅうおうこう)』のイラストと語呂合わせ
※イラスト内の『作用』は覚えるキーポイントとなるものだけを記載しています。
※イラスト右上の「!カンゾウなし」のマークはカンゾウ・マオウ・ダイオウのいずれも含んでいないことを表しています。
語呂合わせ
転んで中央(お腹)を打った上に捻挫。
説明
急性化膿性皮膚疾患(腫れ物)の初期、打ち身、捻挫に適す。
捻挫、打撲、関節痛、腰痛、筋肉痛、肩こりに用いる貼り薬(パップ剤)とした製品もある。
不向き
湿潤、ただれ、火傷又は外傷のひどい場合、傷口が化膿している場合、患部が広範囲の場合には不向き。
『防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)』のイラストと語呂合わせ
『防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)』は肥満に作用する漢方です。
※イラスト内の『作用』は覚えるキーポイントとなるものだけを記載しています。
※イラスト右上の「カ」「マ」「ダ」のマークはそれぞれカンゾウ・マオウ・ダイオウの有無を表しています。
語呂合わせ
水の剣は相手を水太りさせる
説明
体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの肥満に伴う関節痛、むくみ、多汗症、肥満(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)に適す。
副作用
まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症。
まとめ
黄のつく漢方をまとめました。
結構たくさんありましたね…。
わたしが試験勉強をしている時は、
「この黄のやつは何だっけ…?王様の絵を描いた記憶はあるけどどの王様…?」
と混乱してなかなか覚えられず、とても苦戦しました。
名前が似ているからといって作用も似ているというわけではないのがまたつらい!
すべて区別して覚えるのは大変ですが、目で見て頭でイメージするとかなり記憶しやすくなると思います。
ぜひご活用ください!
<漢方の作用別イラスト・語呂合わせ一覧>
▶漢方のイラスト・語呂合わせまとめ
<漢方の作用別イラスト・語呂合わせ一覧>
▶かぜの症状に作用する漢方
▶解熱鎮痛に作用する漢方
▶喉の痛みに作用する漢方
▶鎮咳/去痰に作用する漢方
▶胃に作用する漢方
▶腸に作用する漢方
▶痔に作用する漢方
▶排尿異常に作用する漢方
▶月経・更年期(婦人薬)に作用する漢方
▶皮膚疾患に作用する漢方
▶鼻に作用する漢方
▶睡眠改善に作用する漢方
▶小児の甘に作用する漢方
▶循環器系に作用する漢方
▶滋養強壮に作用する漢方
▶外用薬として使用される漢方
▶肥満に作用する漢方
<紛らわしい名前の漢方を整理して覚える>
▶【登録販売者】紛らわしい漢方を整理して覚えるためのまとめページ
<一覧表でサクッと覚える>
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<覚え方のコツ>
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